タイ南部問題
2004年 12月 01日
王様のお言葉:今年は若者に焦点
毎年、誕生日を慶祝する集まりで国王がお話をされ、テレビでも放映。国民の指針ともなっている。
・ 「誰でも彼等の任務を誠実に実行するべきです。そうでなければ、国は離れて裂かれるでしょう」と陛下が
王の誕生日スピーチを終える際に言われました。
・ 私たちは、それを聞き反省することにより、たくさん学習することができます。
しかし、若者はなかなか聞きません。
・ 首相は、毎週土曜日の朝、ラジオ演説で1時間します。聞かなければならないが眠くなります。
だから、午後の再放送(?)の時間にも聞き耳を立てなければなりません。
・ これがたいへんストレスが多く、私たちは冗談を言います。誰でも、しわがれた声および不幸な顔で
テレビ・ニュースに首相が現われることを理解することができます。」(Nation紙12/5より翻訳サイト使用)
<総選挙への動き>首相が4年間の実績誇示
1. 一人当たりの年間所得が30%増え24,100バーツとなった。
2. GDPは1兆7000億バーツから6兆6000億バーツに増加。
3. 国庫金は3倍増加。4. ゴムの価格は21から46バーツ/キロに増加。
5. 6万世帯が格安住居を確保した。
今後4年間の公約
1. 農民に牛200万頭を配給。
2. 農村銀行の創設。
3. 教育改革。
4. 教育ローンの提供。
5. 全国の学校にコンピューターの設置。
6. サトウキビの価格を600バーツ/トンに維持。
7. ゴム、パーム栽培面積の拡大。
8. BKK周辺の交通渋滞対策に1兆バーツ拠出。
9. 全世帯に電力、水道の供給。(ビジネスマン首相の発言であるが、麻薬追放や南部問題など政治・治安面の不安材料
については言及せず。総選挙は2/6か。資料はM&Aレポートから)
特集:南部問題
<1・南部の治安面に不安>
タクシン政権誕生後、イスラーム分離独立主義組織による警察や軍への襲撃事件が相次ぎ、多数の死傷者をだした。
2004年4月一度に100人を超える犠牲者を数える大事件が発生。また、10月25日にタークバイ郡にて、警察への抗議デモを
起こしたイスラーム系住民が、軍と警察との衝突で7人死亡、逮捕され軍用トラックで軍駐屯基地への移送されるさなかに
78人が窒息死、合計で85人が死亡するという事件が起きた。
その後も、治安の面では「南部パタニ県で、イスラーム過激派と警察が銃撃戦。過激派2名が死亡(11/23)
「南部の5つの学校に放火」 「副知事が重傷」(11/24)などタイ南部の動きには目を離せない。
事件後、マレーシア、インドネシアではタイ政府の強硬な弾圧姿勢に抗議の声が上がっていた。
マレーシア国会は非難声明まで出している。タクシン首相はタークバイ事件はあくまで内政問題であり、
11/29-30ASEAN首脳会議で取り上げられることは内政不干渉のASEANの原則に反するとした。
<2・現地では閉鎖するホテルも>
南部の暴動に直面する危険から、現地では最も豪華なホテルであるロイヤル・プリンセス・ナラテワ(117室)が来年にも
従業員全員105人を解雇し、閉鎖する意向。ナラテイワ観光協会のMr.Abdullaya会長は「政府の暴動に対して有効な
対策を打てない結果だ」会長によると現地の45のホテルは新年または可能なら中国正月までは営業を継続するが、
事態が改善しないと閉鎖するホテルも出るのではないかと懸念も。(Nation12/4)
<3・南部住民との融和のため折り紙を>
・ タクシン首相は、南部の融和と平和を願い全国の学校などに呼びかけ「平和の鳥の折り紙」を折るようにキャンペーンを
展開した。これは日本で平和を祈るために折り紙の鶴をヒントに全国に呼びかけたもの。集められた1億2千万羽の折り紙を
12/5に南部3県に空軍の飛行機から散布した。
・ この模様は、テレビや新聞にも大きく報道をされ、12/6の現地の新聞にも紹介。
・ 地上では空から降りてくる折り紙を集め、折り紙に書かれた文字を読み上げている。「南部の人に平和と愛を」
「困難なときにもいつも一緒に」などの励ましの言葉。
・ しかし、12/5もテロの犠牲者は発生。イスラム教徒の指導者からは、折り紙キャンペーンに対して偶像崇拝に
近いようなものは効果が無いとの批判もあった
<日系企業の景気動向>
ASEANの11月の業況判断DIは、前月と比べてインドネシアを除くすべての国で低下、全体ではわずかに低下し、
3ヵ月連続の低下となった。2~3ヵ月先の見通しもすべての国で低下し、シンガポールとマレーシアはマイナスに転じた。
先行きの景況感はほぼすべての国・地域で11月よりも低下している。(JETRO11/26発表)
<ASEAN・中国FTAを閣議承認>
-来年7月から関税引き下げ-(11/22)
タイ政府はASEAN・中国自由貿易協定(FTA)を閣議承認、11月末の首脳会議で署名。既に関税引き下げが始まっている
農産物に加え、来年7月からその他品目の引き下げを始める。
政府は農産物加工品、化学品などの対中輸出拡大に期待している。(バンコク週報)
<最低賃金引き上げ>
最低賃金委員会では、現在173バーツのバンコクの最低賃金が来年には175バーツ、または176バーツに引き上げる
意向であることを表明。なお、現在は各県別に最低賃金が決められている。(バンコク週報)
なお、民間機関の調査によると来年は3%の賃上げを考えている企業が多い。(週刊タイ経済)
毎年、誕生日を慶祝する集まりで国王がお話をされ、テレビでも放映。国民の指針ともなっている。
・ 「誰でも彼等の任務を誠実に実行するべきです。そうでなければ、国は離れて裂かれるでしょう」と陛下が
王の誕生日スピーチを終える際に言われました。
・ 私たちは、それを聞き反省することにより、たくさん学習することができます。
しかし、若者はなかなか聞きません。
・ 首相は、毎週土曜日の朝、ラジオ演説で1時間します。聞かなければならないが眠くなります。
だから、午後の再放送(?)の時間にも聞き耳を立てなければなりません。
・ これがたいへんストレスが多く、私たちは冗談を言います。誰でも、しわがれた声および不幸な顔で
テレビ・ニュースに首相が現われることを理解することができます。」(Nation紙12/5より翻訳サイト使用)
<総選挙への動き>首相が4年間の実績誇示
1. 一人当たりの年間所得が30%増え24,100バーツとなった。
2. GDPは1兆7000億バーツから6兆6000億バーツに増加。
3. 国庫金は3倍増加。4. ゴムの価格は21から46バーツ/キロに増加。
5. 6万世帯が格安住居を確保した。
今後4年間の公約
1. 農民に牛200万頭を配給。
2. 農村銀行の創設。
3. 教育改革。
4. 教育ローンの提供。
5. 全国の学校にコンピューターの設置。
6. サトウキビの価格を600バーツ/トンに維持。
7. ゴム、パーム栽培面積の拡大。
8. BKK周辺の交通渋滞対策に1兆バーツ拠出。
9. 全世帯に電力、水道の供給。(ビジネスマン首相の発言であるが、麻薬追放や南部問題など政治・治安面の不安材料
については言及せず。総選挙は2/6か。資料はM&Aレポートから)
特集:南部問題
<1・南部の治安面に不安>
タクシン政権誕生後、イスラーム分離独立主義組織による警察や軍への襲撃事件が相次ぎ、多数の死傷者をだした。
2004年4月一度に100人を超える犠牲者を数える大事件が発生。また、10月25日にタークバイ郡にて、警察への抗議デモを
起こしたイスラーム系住民が、軍と警察との衝突で7人死亡、逮捕され軍用トラックで軍駐屯基地への移送されるさなかに
78人が窒息死、合計で85人が死亡するという事件が起きた。
その後も、治安の面では「南部パタニ県で、イスラーム過激派と警察が銃撃戦。過激派2名が死亡(11/23)
「南部の5つの学校に放火」 「副知事が重傷」(11/24)などタイ南部の動きには目を離せない。
事件後、マレーシア、インドネシアではタイ政府の強硬な弾圧姿勢に抗議の声が上がっていた。
マレーシア国会は非難声明まで出している。タクシン首相はタークバイ事件はあくまで内政問題であり、
11/29-30ASEAN首脳会議で取り上げられることは内政不干渉のASEANの原則に反するとした。
<2・現地では閉鎖するホテルも>
南部の暴動に直面する危険から、現地では最も豪華なホテルであるロイヤル・プリンセス・ナラテワ(117室)が来年にも
従業員全員105人を解雇し、閉鎖する意向。ナラテイワ観光協会のMr.Abdullaya会長は「政府の暴動に対して有効な
対策を打てない結果だ」会長によると現地の45のホテルは新年または可能なら中国正月までは営業を継続するが、
事態が改善しないと閉鎖するホテルも出るのではないかと懸念も。(Nation12/4)
<3・南部住民との融和のため折り紙を>
・ タクシン首相は、南部の融和と平和を願い全国の学校などに呼びかけ「平和の鳥の折り紙」を折るようにキャンペーンを
展開した。これは日本で平和を祈るために折り紙の鶴をヒントに全国に呼びかけたもの。集められた1億2千万羽の折り紙を
12/5に南部3県に空軍の飛行機から散布した。
・ この模様は、テレビや新聞にも大きく報道をされ、12/6の現地の新聞にも紹介。
・ 地上では空から降りてくる折り紙を集め、折り紙に書かれた文字を読み上げている。「南部の人に平和と愛を」
「困難なときにもいつも一緒に」などの励ましの言葉。
・ しかし、12/5もテロの犠牲者は発生。イスラム教徒の指導者からは、折り紙キャンペーンに対して偶像崇拝に
近いようなものは効果が無いとの批判もあった
<日系企業の景気動向>
ASEANの11月の業況判断DIは、前月と比べてインドネシアを除くすべての国で低下、全体ではわずかに低下し、
3ヵ月連続の低下となった。2~3ヵ月先の見通しもすべての国で低下し、シンガポールとマレーシアはマイナスに転じた。
先行きの景況感はほぼすべての国・地域で11月よりも低下している。(JETRO11/26発表)
<ASEAN・中国FTAを閣議承認>
-来年7月から関税引き下げ-(11/22)
タイ政府はASEAN・中国自由貿易協定(FTA)を閣議承認、11月末の首脳会議で署名。既に関税引き下げが始まっている
農産物に加え、来年7月からその他品目の引き下げを始める。
政府は農産物加工品、化学品などの対中輸出拡大に期待している。(バンコク週報)
<最低賃金引き上げ>
最低賃金委員会では、現在173バーツのバンコクの最低賃金が来年には175バーツ、または176バーツに引き上げる
意向であることを表明。なお、現在は各県別に最低賃金が決められている。(バンコク週報)
なお、民間機関の調査によると来年は3%の賃上げを考えている企業が多い。(週刊タイ経済)
# by tmobkk | 2004-12-01 19:24 | タイの動き