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タクシン元首相、カンボジアの経済顧問に

タイの動き 2009年11月号
目次
1.カンボジア首相、タクシン元首相を経済顧問に
2.国王のご入院、誤報で株価低落
3.コメ価格維持政策に600億バーツ
4.タイの自動車生産、10月は大幅改善
5.タイ国鉄の開発計画とスト
6.タイのマプタプット環境問題



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上の写真:カンボジア、プノンペン市内

1.カンボジア首相がタクシン元タイ首相を経済顧問に
10月21日にタイのチャワリット元首相がカンボジアを訪問。フンセン首相から亡命生活をするタクシン元首相を友人として住宅の提供を申し出た。10月23日にアセアン首脳会議のためタイを訪問したフンセン首相はアビシット首相の警告にもかかわらず、タクシン元首相をカンボジアは受け入れると言明。10月27日にはタクシン元首相をカンボジアの経済顧問に任命すると説明し、11月4日にはカンボジア国王の勅命を得ている。
このようなフンセン首相のタイ政府への揺さぶりに対して、タイ政府はカンボジア大使の召還、タイ湾にある両国の国境重複地域の開発計画の停止、国境封鎖なども示唆して、カンボジア首相の動きをけん制している。11月7日に日本で開催されたメコン首脳会議でも、鳩山首相の憂慮発言、スリン・アセアン事務局長の関係改善への呼びかけにもかかわらず、両国首脳はお互いに譲らない情勢である。なお、国境封鎖までは至らないと見られる。

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上の写真は、Bangkok Postから

2. 国王のご入院、誤報で株価低落
9月19日から入院されているプミポン国王の回復の遅れなど、誤って伝えられたことから10月14日の株価は暴落した。14日のSET株価指数は2%、15日は9%も下がった。
タイには王室を巡る不敬罪があることからメデイは直接的には国王の健康状態を推測して報道することはないが、直ちにアビシット首相はうわさの原因追及を指示。その後、タイ警察が元凶として3名逮捕を報じている。国王は11月8日現在もシリラート病院に入院中であるが、10月24日にはタイのメデイア各社に療養中の国王の写真、映像が流され、回復振りを国民に報じられた。一日も早いご退院が待たれる。

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# by tmobkk | 2009-11-09 08:49 | タイの動き  

汚職事件、ネーウイン氏など無罪

タイの動き 2009年10月号
目次
1.G20、アジアへの期待大
2.国王のご入院、回復へ
3.タクシン政権時代の汚職事件、ネーウイン氏など無罪
4.タイの景気、雇用改善へ
5.タイの若者、メデイア・ブランド
6.コピー商品を追放したITモール
7. タイの憲法改正問題




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1.G20、アジア重視へ
 9月26-27日、米国ピッツバーグで開催されたG20では、従来のG8の枠組みでは解決できない世界経済問題、地球環境問題については中国、インドおよびASEAN代表(今回はタイがASEANの議長国として参加)も招かれて世界経済の回復策、について協議を行った。
1970年代半ばから主要先進国G8が石油危機、不況など経済危機に対する対応を協議してきたが、いまや新興国も取り込んで議論をしないと解決できない新しい世界経済について協議する時代になった。今回はタイがASEANの議長国と言う立場から、オバマ大統領など先進主要国との協議の場に入ることができた。


2.国王がシリラート病院にご入院、回復へ 9月19日にプミポン国王が発熱と食欲不振のため入院された。その後、王室からの定期的な症状の発表によると24日には食欲も回復し、元気になられたとの発表があった。
 入院直後から、アビシット首相、バンコク都知事など政府関係者が見舞いに病院に伺うとともに、一般市民も早い回復を祈って病院に設けられた記帳や全国の寺院でも病気の早期回復が祈られた。
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3.タクシン政権時代の汚職事件、ネーウイン氏など無罪タクシン政権時代に、ネーウイン氏が提唱してゴム苗木供給プロジェクトとして14億バーツの予算がつけられたが、不明瞭な資金調達、入札の談合、低品質の苗木供給など不正の容疑が発生。2006年のクーデター後に設置された資産調査委員会ASCが不正を認定し、検察を通じて最高裁に告訴。最高裁は政治汚職事件法廷で審議されたが、最高裁は不正の証拠がないとして、無罪判決を出した。その後、検察とASC元メンバーとの間で、検察は当初から証拠が足りないと指摘したいたのをASCが強行したと批判。

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# by tmobkk | 2009-10-01 00:27 | Comments(0)  

タイ国王に特許権付与

タイの動き 2009年9月号
目次
1.タイ国王に特許権付与
2.アビシット首相、警視総監の後任者指名もたつく
3.シーナカリン水力発電、突然の増産で下流に洪水
4.UDDが8/17国王にタクシン元首相の恩赦を直訴
5.観光客拡大へ、各種優遇策
6.タイ国王の名前がチューリップに
7.農産物価格保証、キャッサバ、メイズについて



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1. 人口降雨を発案されたタイ国王に特許権付与
プミポン国王が考案された人口降雨技術が欧州10カ国で特許がおりた。このため8月21日タイ研究評議会が国王に特許証書が進呈された。
その際の国王のお言葉。
「国は今、どこへ、どうやって向かうかわからない状況だ」「国民1人1人が知識を持ち、やる気を持てば、国家を発展させることができる」など。

2. アビシット首相、警視庁長官の後任指名でもたつく
2008年12月に発足した民主党政権は、政府の信頼度も徐々にでは回復しているように見えたが、警察庁長官人事ではもたつきが見える。
現在のパチャラワット長官は、4月におきたPAD元リーダーのソンテイ氏暗殺未遂事件の捜査が遅れているのは長官が妨害をしているからだ、との訴えがあって、9月末の定年を待たずに交代をさせよという動きもあった。しかし、パチャラワット長官は国防大臣の兄弟ということもあって政府は軍部と警察の支持が継続して得られる人事を模索している。
警視庁長官の人事は政治に左右されないため、首相一人の承認で済むのではなく、首相が委員長を務める11名の委員会の承認が必要となっている。首相、内務省の大臣、次官、法務省の大臣、次官、警視庁長官など。そのうち6名の同意がないと決定しない。8月20日開催された委員会では、首相の指名した候補には5名、他の推薦者には4名の同意しか得られず、後任が決定しなかった。

3. シーナカリン水力発電、突然の増産で下流に洪水
8月9-19日にマレーシアとタイの共同開発海域にある天然ガスが定期点検のため休止をしているところ、ボンゴットで13日ガス漏れのため稼動が停止した。加えて、ミャンマーのヤダナ、イエタグンの2箇所がガス漏れで稼動休止になり、急遽タイ発電公社EGATは、南部の石油発電所を稼動させ、同時にカンチャナブリのシーナカリン水力発電を増産した。このため、14-15日にかけて、シーナカリンダムの下流にある8つの村で洪水が発生した。
これについては単なる事故だという人もあるが、APEC関連の会議で、ミャンマーの大臣に対して国際社会,ASEAN諸国からアウンサンスーチー女史の解放に向けて圧力がかかったことに対する嫌がらせだ、との意見もある。
EGATの水力発電担当に非公式に聞くと、今まで数年間稼動をしていなかった発電量まで要求されたが、今までは社員が避難命令を下流に出すほどの発電量になったことが無かった。事故だと見せる背景を読み取ることも必要である。

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# by tmobkk | 2009-09-01 08:53 | タイの動き | Comments(0)  

タクシン前首相の人気、現首相を上回る

タイの動き 2009年8月号

目次
1.タクシン前首相の人気、現首相を上回る
2.農産物価格保証、メイズ、キャッサバにつづいて米も
3.固定資産税法、8月に閣議決定か
4.ラチャブリ発電、ペチャブンで大型風力発電
5.電車パープルライン、土地収用の勅令が失効



1.タクシン前首相の人気、アビシット首相を上回る
 アサンプション大学が7/20-25に実施した世論調査(ABBAポール)によると、政権発足6ヶ月を経過したアビシット首相の支持率が32.0%でタクシン元首相の34.0%を下回った。5月当時は、アビシット首相51%、タクシン元首相が24%だったが逆転。

2.政府、農産物価格保証システム開始
 アビシット首相は、7/19の日曜談話で、農産物価格保証システムの導入を説明。従来の担保引き受けによる価格介入は、すべての農民がカバーできず、市場メカニズムを破壊するものだと説明。政府は、8月からメイズ、キャッサバ芋について新制度を導入、その後も年度米についても適用する方針。基準価格を設定して、市場価格が下回れば、政府はその差額を保証する仕組み。タイ米の国際競争力を取り戻すことにもつながるとしている。

3.固定資産税、8月に閣議決定か
ソムチャイ財政局長は、7/23の会見で固定資産税については8月中にも法案を内閣に提出すると説明。現在の土地・建物税は土地・建物が生み出す収益に課税するもので、遊休地・宅地などは対象になっていない。新税は、商業用不動産で評価額の0.5%、宅地0.1%、農地は0.05%となる。販売用の不動産でも売れ残った場合は、商業用の不動産ではなくより低い住宅の税率を適用する。なお、売れないからといって税金を免除する理由は無いと説明。
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# by tmobkk | 2009-08-06 16:56 | タイの動き | Comments(0)  

PAD幹部52名に召喚状、起訴にはまだ

タイの動き 2009年7月号
目次
1.PAD幹部52名に召喚状、起訴にはまだ追加調査
2.新型インフルの影響
3.7/17-7/23プーケットでASEAN外相会議
4.ミャンマーの米輸出は、昨年の倍増
5.AATコンパクトカー生産に5億ドルで工場建設
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(写真は、通常の空港の風景)


1. PAD幹部12名に召喚状
 昨年のドンムアン、スワンナプーン空港占拠事件で、両地区を管轄する警察は、民主主義民衆連合(PAD)の幹部52名に対して、7/15までに出頭するように命じた。スワンナプーン空港占拠では、現職のカシット外相を含む25人に、内乱罪を含む刑法違反容疑もでている。警察は出頭しない場合は、逮捕状を請求するとしていたが、検察側は7/14、同日予定していたPAD幹部9人の起訴を延期した。30日間、追加の捜査を行うという。
 カシット外相は、就任直後に司法当局の訴追があれば即座に辞任するとしたが、記者会見では辞任を拒否。アビシット首相も、倫理的な試験を受けたとしているが、大臣の辞任は求めないとした。
野党のプアタイ党のスラチャ議員は、世論の60%が外相は辞任すべきとしているのに、支持をしているアビシット首相は大きな間違いを犯していると言明。
 なお、3月のAPEC首脳会議を延期に追いやった赤シャツ軍団、UDD(反独裁民主主義同盟)の幹部はその直後に逮捕されたが、アビシット民主党政権の樹立に力を貸したPADに対する訴追が遅れれば世界的にもダブルスタンダードだと批判を浴びることになり、遅ればせながらも起訴に持ち込む意向を示した状況。


2.新型インフルエンザの影響
 バンコク都は都立学校(435校)、保育所(200所)、職業訓練センター(13校)を7月15日から5日間封鎖すると発表した。政府は全国的な学校閉鎖を検討中である。
 日本大使館からの情報によると、タイ保健省は、新型インフルエンザにより新たに3人の死亡が確認された旨発表(死者数の累計は24人)。大使館の説明では、タイ保健省の発表で感染者数4,057名、死亡者数24名、致死率は0.59%であり、アメリカの例(致死率0.57%(7月10日米疾病対策センターデータより算出))と比べてもほとんど変わりはない。また感染者のほとんどは快復。タイ保健省情報を見ると、死亡者のほとんどは喘息、糖尿病、がんなどの基礎疾患や、高度の肥満や妊娠などのリスクファクターをもっており、また十分な休養をせずに無理をして生活したことが重症化になっている。ただし、今後タイでは季節性インフルエンザ流行のピークを迎え、それと共に今後も新型インフルエンザの感染者数も増加していくと予測されると、注意を喚起している。
たしかに、最近、バンコク市内の官庁、BTS、繁華街でもマスクをする人を多く見かけるようになった。路上でマスクを1枚10THB(約30円)で売っている者もあり、どこまで効果があるか、疑問視をする向きもある。
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(横断歩道も、売り場となる)

3.プーケットでASEAN外相会議
上記7/17-7/23の開催期間中、タイ首相府はプーケットでは治安維持の観点から、国内治安維持法による地域指定をした。3月のAPECでは警察が責任を持つとして、中止に追い込まれたことから今回は軍幹部をトップとする国内治安維持本部が責任を持つことになった。国防省は、期間中のプーケットでのすべてのデモを禁止するとした。このため、いわゆる赤シャツ軍団といわれるタクシン派の反独裁民主主義同盟(UDD)だけではなく、NGOなどのデモ、陳情も受け付けないことになった。

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# by tmobkk | 2009-07-16 19:56 | タイの動き