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タクシン支持と、反対派


1. タクシン支持と、反対派
  1)8/26現在のタイの政治状況は、
  ①国会(下院)が解散されたまま
  ②上院議員選挙は、4月に終了したが最終の構成が発表されていない
  ③内閣は、暫定内閣で、次の政権が決まるまで大きな決定が出来ない
  ④国会がないため、来年度の予算が決まらないまま新年度に入るので、暫定予算となる 
  ⑤軍隊は、現状の動きを追認している(クーデターはない)
  ⑥国王も、現状に口出しをされていない、といった状況。
  2)今後の政治スケジュール。
  9月までに選挙委員5名が決まれば、10月15日の選挙について何らかの動きが見える。
  ただし8/24とされていた下院議員総選挙の公示日がずれたことから10/15が遅れるかもしれない。
  また、この情報を容認するとの姿勢をタクシン首相サイドからも出ている。

  3)8月下旬からタクシン支持者と反対派が集団行動をしている中で、衝突した事例もいくつか紹介をされている。
  チャンマイ、バンコク市内など。WTC前でタクシン支持者が反対派に殴りかかる写真では、いずれもが手足に
  白いハンドリストか白い靴や靴下など共通のしるしがついていることを紹介している。作為的ではないか、との疑問。

  5)首相が設立したSHIN CORPの株式をシンガポールのテマサクホールディングに仲介したクラーブゲオの株主構成に
  関して、外国人事業法に違反しているのではないか、との商務省が実施する調査は、まだ調査が不足するとして公表が
  延期されている。
  会計検査院からも、タクシン首相一族の無税売却に対して国税当局に対して終始無視したのは時の政権から何らかの
  指示を受けたか、公務怠慢ではないか、との指摘もある。

2. タイへの投資、予想よりも落ち込む
   8/24ソムキット副首相はタイ政府投資委員会が、今年年初に予想した7000億バーツもの投資をと予想をしたが、
  多くても4000-5000億バーツ程度に終わるのではないか、と認識を示している。特に、政治の不安定要素が投資家や
  消費者の心理に悪影響を及ぼしている。
  確かに、JETRO投資相談所に来る日系企業からの多くの質問が「タイの政治はどうなるのでしょうか?」とのこと。
  サテイットBOI長官は、BOI40周年記念セミナー(8/24)で新しい目標を5000億バーツに引き下げても投資家を呼び込むと
  言明。バンコク日本人商工会議所の坂野会頭から、政治状況が改善されないと外国投資がタイ周辺国、中でも
  ベトナムに向かいかもしれないと示唆を示した。
  タイ工業連盟のサンテイ会長は、政府が高金利、高い石油価格、高い資本価格を是正しなければならない、またベトナムが
  輸出市場でタイに追いつかないためにも政治の安定が必要だと主張。ベトナムの魅力に関しては、別途TMO視察報告を
  参照。

3. 投資環境、タイとベトナム
8/6-12TMOとしてベトナムの投資環境調査。独自判断によると、タイとベトナムと比較すると次の通り。

投資環境、タイとベトナム

タイ

項目

ベトナム

愛国党が与党

 

共産党一党独裁

2006.2~国会解散で

政治情勢

新しい首相、書記長、

今後の動き見えず

 

大統領のバランス

電力・水・道路は整備

 

電力・水・道路の整備中

労働力、コスト上昇

インフラ

30歳以下の若い労働力

技術者不足、転職

 

中間管理者不足、

 

 

転職率は北部では低い

国内市場の発達

 

国内市場は未成熟

自動車は輸出基地に

市場

自動車はアジアの拠点

輸出中心

かなり整備されてきた

投資関連法制

整備中

法治国家へ

透明性

人治から法治国家へ

政策の安定

税制

急な政策変更

6200万人、若年層の減少

労働供給

8200万人、30歳以下の若年層人口の60%

教育・文科系中心

労働の質

国家による教育

企業要望>供給不足

技術者の供給

現在、優秀な人が採用可

国内調達率が高まる

部品産業の発展

まだ、輸入に頼る

Best3

有望投資国

Best4

(TMOの独自調査)







4. タイ南部の治安情勢いまだ収まらず
  新聞や日本大使館の「安全情報」によるとタイ最南部(ヤラー、ナラテイワート、パタニーの3県)ではバイクを使用した
  銃撃事件が後を立ちません。背景は不明ですが、地元新聞情報によると新興分離主義組織のRKKと報じています。
  また、安全保障関連当局の情報当局筋は8/28、非公然分離主義組織の統轄団体と目されるブゥーサートゥーがヤラー県内の
  若者約20人を雇い同県内及びパタニー県内で自動車爆弾やバイク爆弾、携帯電話を使用した遠隔起爆式の爆弾等による
  破壊行動を計画していると警告をしています。(タイの地元新聞を読む)
  8/31に南部ヤラー県の金融機関20が同時に爆破
   南部の爆破事件が続いている。8/31に南部ヤラー県の金融機関20が同時に爆破され、1名が死亡、21人が怪我をした。
   9/2国軍最高司令官のSonthi将軍は、「依然、われわれは本当の破壊活動のトップがどこかわからない。
  組織のトップと話さない限り、平和や和解を取り戻すことは出来ない」と初めて対話を呼びかけた。

  破壊活動の背景か?
  Pattani United Liberation Organization(PURO)、Barisan Revolusi Nasional Melayu Pattani(BRN)、
  Gerakan Mujahideen Islam Pattani(GMIP)と呼ばれる組織は同じ傘の下にあるといわれるが、依然破壊活動の犯人か
  どうか、またその背景にあるかどうか、は不明。
 タイの休日
  9月、10月は休日はありません。

  (注)携帯電話、局番に8を追加。
  9月から、タイの携帯電話が変わります。今まであった携帯電話の、09,01,05の0の後に8が入ります。
  例えば、09-894-0873は089-894-0873になります。
  従来の番号でも11月末まで使えますが、12月以降は使えません。

by tmobkk | 2006-09-01 18:57 | タイの動き  

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