タイの動き 2021年10月号 「国立の海運会社設立か」
2021年 10月 04日
タイの動き 2021年10月号 「国立の海運会社設立か」
(目次)
1.富裕層向け10年ビザ(構想)
2.海上運賃と国立の海運会社
3.パラリンピックと障害者雇用
4.航空業界の今後
5.コロナ感染の現在
1.富裕層向け10年ビザ
タイ政府は22年から始める予定で、初年度は10万人、23年は15万人、24-26年度は各25万人、合計で100万人を見込み、最初の5年間を試運用期間とする。この間、国内投資は8000億バーツ(約2兆6000億円)、税収は2700億バーツの増加を見込む。
条件としては、
1)国内の不動産やタイ国債に25万ドル(約2700万円)から50万ドル投資した外国人
2) 年間8万ドル以上の収入があること
3)退職者は最低25万ドル分の購入と、年間4万ドル以上の収入が必要
2.海上運賃と国立の海運会社
コロナ禍によって運送費は上がって、多くの事業にも高い賃金と安い原料価格に影響がでている。数多くの経営者は2023年まで運賃の引き上げが続くとみている。
どの企業でもサプライチェーン上で運賃はどの過程でもかかるコストである。鉄鉱石、鉄製品、部品、最終製品、まで世界の製造業に影響が出ている。海上運賃、中でもコンテナ運賃が上昇し、トラックの運転手不足、年初からするとガソリン価格も高くなっている。
これに対して、運輸省では国立の海運会社設立で準備をしている。タイの海運業はシンガポール、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピンについで6位の位置。
運輸省海運局の説明では、タイ国籍の船は600万トン程度しか保有せず、輸出数量の90%以上が外国船籍の船を使用しており、タイ国籍の船がわずか9%しかない、と指摘されている。
しかも、今後の海運業の増加が望まれることから、貿易業者にとっても船舶確保の面でも
好都合であるとされている。
3.パラリンピックと障害者雇用
東京パラリンピックではタイは9月2日現在、金が4,銀が4,銅が7と、オリンピックで獲得したメダル数よりも多い。
タイでは、障害者はどれだけの数であるのか?2015年12月、障害者エンパワーメント事務局の調べでは全体で1737468人(100%)である。内訳は、次の通り。1.視覚障害187,853人(10.8%)、2.聴覚障害299,530人(17.2%)3.肢体不自由856,581人(49.3%)、4.精神障害、行動障害118,847人(6.8)5.知的障害116,220人(6.7%)、6.学習障害6756人(0.4%)、7.自閉症7867人(0.5%)8.重複障害121,790人(7.0%)、9.不明22025人(1.3%)
上記のタイの障害者の総数から、労働人口(15-60歳)の割合は78万人となるが、自営業を含む就労は25万人で、就労が不可能な17万人を除く36万人は失業である[1]。
就労者は農業を含む、インフォーマルセクター(非正規就労)で85%を占めると言われる。
4.航空業界の復活は可能か
コロナ禍により、旅行者が激減する中で、旅行業界、航空業界は厳しい状況に追いやられている。タイでは、タイ国際空港、ノックエアが倒産し、会社更生法を申請したように、他の航空各社もタイ政府に運転資金として50億バーツの支援を要請した[2]。9.2に政府系のタイ輸出入銀行がタイ国際航空の子会社であるタイスマイルに融資を実行したニュースが流れた。ラック輸銀総裁は、総裁は今回実行したタイスマイル向けは航空業界向けの第1号の融資案件であると認めたが、航空業界の融資にはまだ慎重な検討が必要だと発言をしている。
5.コロナ感染の現在
タイのコロナ感染状況について報告をする。10月2日現在、累計感染者数が161万人を超えた。前の日の新規感染者数は1万1754人で、ピークの2万人を1カ月近く下回っているものの、ピパッタ観光・スポーツ相はバンコクの外国人観光客の受け入れを、当初の10月から遅らせて11月1日から実施する意向だ。
by tmobkk | 2021-10-04 19:07 | タイの動き | Comments(0)