タイの動き2019年10月ータイの観光刺激策「チムチョップチャイ」
2019年 11月 11日
タイの動き2019年10
月
(目次)
1. 1)バンコクに第4の国際空港ができるか
2. 2)災害時の航空会社、飛行機を選び方
3. 3)タイの観光刺激策「チムチョップチャイ」
4. 4)新しい運輸大臣のアイデア
5. 5)アセアンサミット(11.2-11.4)で何が決まったのか
1. バンコクに第4の空港か
9/22のバンコクポストに標記のレポートが紹介されている。スワンナプン空港(年間旅客取扱数が、
現在の4,500万人のところ年間7000万人の利用者)とドンムアン空港(同3000万人の‘利用者)は
それぞれの空港の現状で想定した人数を3500万人も超えた利用客をさばいているため、
空港ターミナルには人があふれ、長い行列が続いている。また、空港の搭乗口は満杯で特に
チャーター便やプライベート便の利用の申し込みには対応できない。先日も、空港公団AOTは
各航空会社に対して、機材の大型化を要請したほどである。現在の100-120名前後の機材を
300名以上の機材に変更すれば、少しはターミナルの登場口の混雑は減少するのではないか、という。
運輸省の空港局はナコンパトム県に新しい空港を建設するべきであると、言う提案を行った。
立地は、バンコクの西部で約200億バーツの予算を投入して空港および空港ターミナルを建設するというもの。
2. 災害時の航空会社、飛行機の選び方
日本出張の帰国便でが10/12の台風19号の上陸を避けるため出発時間を8.30から7.00に早めた。
それへの対応を踏まえて、記録。ポイントは、自分の予約した飛行機が航空会社の都合で時間変更
などしても、自己責任で確認をすること。かってはリコンファームが必要と言われ、出発の前日など
再確認しないと、キャンセルしたとみなされることもあった。これは自己責任の世界。損害保険で、
予定便の出発が遅れた場合、その遅延に伴うホテル代などカバーされる特約が付いていれば、問題は少ない。
海外では航空会社の都合でいつでも時間変更はある。遅れることが多いが、早まることもあると、
理解した。今までの経験でベトナム航空会社の都合で、ゲート入りをしても機材繰りがつかず、
ハノイ空港から市内に戻って、1泊して翌日の便で帰国したこともあった。航空会社としては
キャンセルするよりも、台風の影響の少ない時間として、予定時間を90分早めたのだ。
そのため乗客は前日から空港に入らないと、乗り遅れたという事例である。
3. タイの観光刺激策「チムチョップチャイ」
タイ政府が観光刺激策として打ち出したのが現金給付だ。チム・チョップ・チャイ
(食べる・買う・使う)政策と呼び、現金給付とキャッシュバックを組み合わせる。
18歳以上のタイ国民であれば、指定されたウェブサイトにアクセスしてサインアップ
すれば、電子財布「バオタン」に1000バーツ(約3600円)が振り込まれる。
また、最大3万バーツまでの買い物に対し、15%のキャッシュバックを受ける資格がある。
このプログラムは既に9月23日から始まっているが、最初の3営業日に登録した消費者は
311万人。入金された1000バーツを使える同月27―29日に実際に利用した人は
37万人で、支出総額は2億9400万バーツに上った。
この政策では、入金後2週間以内に買い物をしないと無効になるため、一部の店舗では混乱が
生じたケースもある。
4.新しい運輸大臣の新しいアイデア
GPSを登録車種に義務付けを提案された。新しい運輸大臣の席は、連立政権を支えた
Bumuchaitai党に割り当てられた。この政党はベテラン政治家のNewin Chidchobが設立
した流れを汲んでいる。そこで、運輸大臣にはNewin氏の末弟であるSaksayam Chidchob
氏が座ることになった。着任以来、GRABタクシーの認可など、従来の政権では生まれなか
った政策を適当に指示をされているようだ。背景は、タイの登録されている乗用車、二輪車
にGPSの装着を義務付ければ死亡事故をはじめ交通ルールが順守されるのではないか、との
発想である。その後の、世論の反応を見て、義務付けは無くなったが、ロットウなど公共交
通には更新時に義務付ける。
5.アセアン首脳会議(11.2-11.4)で何が決まったのか
第35回アセアン首脳会議は議長国がタイということから、年頭から今まで閣僚レベル
の協議が行われていた。アセアン+3首脳会議(日本、中国、韓国)アセアン+6首脳会
議(日本、中国、韓国、インド、ニュージーランド、オーストラリア)東アジア首脳
会議(アセアン+6にロシアと米国が入る)も同時に開催された。
プラユット首相は、開会のあいさつでアセアンの経済統合の重要性、特にアセアンの運
輸、交通の改善と、接続性の向上がアセアンの基盤を強くすると、表明をしていた。
タイの経済成長を今一段押し上げるには、アジア地域包括的経済連携(RCEP)が重要で、
今回の首脳会議ではこの課題が最終の首脳会議で前進するのかどうか、が注目されていた。
大きな壁は、インドが自国市場の大幅な開放に慎重で、譲歩をしなかった。
インドのモデ首相は地元紙に「インドのサービス産業の雇用を守った」と発言をしている。
ただし。インド抜きでRCEPはその他の国が合意すれば発足する可能性もある。
最終のアセアン首脳会議ではアセアン域内の交通網整備と中国の広域経済圏構想「一帯一路」を
一体化させることで合意した。中国の資金力に期待するアセアン側と、東南アジアに基盤を築き、
西方進出の足掛かりにしたい中国の思惑が一致した、と報じられている。
by tmobkk | 2019-11-11 13:20 | タイの動き | Comments(0)