2018年4月から最低賃金上昇
2018年 02月 06日
タイの動き(2018.2)
(目次)
1.2018年4月から最低賃金上昇
2.1/27からバンコク・デザイン・ウイーク
3.総選挙は2018年11月から2019年に延期か
Prawi副首相の25個の豪華な腕時計と汚職追放委員会
5.カンボジアからタイを見ると
(本文)
1.2018年4月から最低賃金上昇
2018年1月30日のプラユット内閣は閣議で、4/1から新しい最低賃金の適用される。これは、2017年12月の中央賃金委員会(委員長は労働省の事務次官)の場でも決定せず、年明けの1月17日の委員会で7時間の議論をかけて決定したもの。その後、労働大臣の承認を得て、閣議にかけられたものである。
プラユット首相は2017年末に2018年から労働者に新しい年のプレゼントの一つとして言明していたものであり、2012年のインラック首相が選挙の公約で全国一斉の最低賃金引き上げと、2016年1月から2年ぶりに各県別の最低賃金引き上げをするもの。
2.1/27からバンコク・デザイン・ウイーク
1/27から2/4までデザイン・ウイークとして周辺の画廊や倉庫にあるショップが協賛してイベントが始まった。ニューロード沿いにある中央郵便局がタイのクリエイテイブ・デザインセンター(TCDC)なった。TCDCは2003年に首相府の下にある知識マネジメント発展機構として創造性をもとに将来の人間の発展を目指すという目的で設置された公共機関である。筆者は、中央郵便局がTCDSに模様替えされてから初めて訪ねてみた。TCDC1階の広場では、Waste Side Story(有名な映画,west side storyをもじったもの)で、デザイナーとリサイクルしているプラステイックメーカーとのコラボで作品が展示されている。
3.総選挙は2018年11月の予定から2019年に延期
プラユット軍事政権は、汚職追放、国内の対立を鎮静化させるなどを目的に2014年5月にクーデターを実行。2016年10月の前国王の崩御もあり、新しい憲法の制定と、官選の国家立法会議の設置と、民選化に向けて選挙法の改定など、行ってきた。昨年の米国訪問などの場で、軍事政権から総選挙による民選内閣の移行を表明。バンコクポストは、総選挙を2018年11月(最終の日曜日)に実施するというプラユット首相の発言をもとにカウントダウンを新聞の1面に掲げてきた。しかし、国家立法会議の選挙法の審議の遅れから、2019年の2月という意見も見られる。
4.Prawit副首相の25個の豪華な腕時計と汚職追放委員会
昨年12月の内閣改造による新内閣の記念写真をきっかけにPrawit副首相兼国防大臣の腕時計が、注目を集めている。それは、閣僚就任時の資産報告に見当たらず、軍人としての給与だけでは購入できるものではない、とネット上で話題になっている。しかも、汚職追放委員会に説明を求められてもPrawit副首相は、友人から借りているものだとの発言を繰り返している。アビシット民主党党首も、アビシット内閣時代に、汚職の疑惑を受けた当時の閣僚が辞任した事例を挙げて、内閣にとどまるべきではないという、発言をしている。この問題を、汚職追放委員会およびPrawit副首相を任命したプラユット首相がどのように裁くのか、注目される。
5. カンボジアからタイを見ると
カンボジアの人口は1577万人で、人口増加率は1.8%、出生率は2.9%。そのうち30歳以下の比率が65.3%、そのうち労働人口が480万人である。毎年20万人の新規労働者が誕生している。これに国内の新規労働者を雇用を吸収する産業としては、第1次産業の農林業16%や漁業7%を含むと28%程度。製造業17%を含む2次産業は20%で、建設11%、商業9.9%でを含む、サービス関連が残りの50%を構成する。このような産業構造から、新規の海外投資か、または労働者自らが海外で働く以外に新規受け入れ先が少ない。
一方、タイは高齢化が進展し、日本の後追いである。人口のボーナスを迎える最中ではあるが、今後10年、20年先を考えると、タイ政府は高齢化対策や年金支給の財源確保など、大きな課題を抱えている。インフラ投資による国際競争力の向上とともに、若年労働者の確保を周辺国だけに頼るのか?本来の成長を支えるのは、国民が自らの能力、知力を生かすときであろう。2018年は、どのような施策を打ち出されてゆくのか、注目したい。
(2018.1.31)
by tmobkk | 2018-02-06 00:30 | タイの動き | Comments(0)