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-タイの産業界の課題(SUBCON Thailand2016、Thai Fex)

タイの動き2016.6月号-タイの産業界の課題(SUBCON Thailand2016、Thai Fex)
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今月は、TMOの発行するメルマガFrom Bangkokと最近の取材から次の5点をご紹介します。
1.タイ裾野産業振興協会、SUBCON Thailand2016
2.タイの食品産業展Thai Fex
3.BOIのスーパークラスター制度の定着には
4.軍事政権2年の成果
5.(セミナー報告)自動車の未来

1.SUBCON Thailand2016 昨年の来場者が、今年は増えたのかどうか?主催者の発表では20000名を超えた、との報告を受けた。ちなみに、同時開催のIntermach2016hは40,500名とのことである。弊社は、日系企業対象のセミナーを企画運営しているが、今年度は「自動車の未来」をテーマに開催して200名近い申し込みをいただいた(詳細は、別途、ご紹介)

2.タイの食品産業展Thai Fexを視て
タイは世界の台所と言われる。食に関するアジア最大の展示会Thai Fexが5月25日から29日までがバンコクの北隣のパトムタニ県IMPACTにて開催。同時開催は、世界の海産物展、世界のコーヒーと紅茶展、世界の食品サービス展。
会場はIMPACTのChallenger館全館と、ホール1-4を使うという過去最大規模の食品展である。参加国はタイをはじめ、アジア、欧州、米国を含め40か国、1700社を超える。(2015年は33か国1675社) 日本の参加も過去最大級で70社を超えた。今後の食品を取り巻く課題では、ナチュラル志向、ハラル、食品添加物、清浄食品、ベーガン(菜食主義)などの対応がどこまでできるのか?
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2.BOIのスーパークラスター制度の定着には
スーパークラスターには、自動車、宇宙工学、医療、繊維など大きな産業ごとに、産地を形成する(クラスター)構想がある。一方、タイでは、人材開発やイノベーションに関して様々な実験がされているが、面白い事例は国立の研究開発機関のスタッフを民間企業に派遣する、という仕組みである。給与の支給が政府機関がするため、民間ではその負担がほとんど無いままで、企業の研究開発に携わるという仕組みである。名称は、タレント・モビリテイプログラムである。これらの科学技術庁と各産業の高度化を推進する仕組みと連携したたいという。産業界では、政府の取り組みをどのように民間企業の目的達成とすり合わせをするための時間が今しばらくかかる。

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4.軍事政権2年の成果
2014.5.22に起こったクーデターで経験を握ったプラユット政権は2年間で経済をどのように変革したのか?バンコクポストは5.21の紙面で次のように評価をしている。
○は実施。xは進行中のもの
1.財政、税制改革だけに絞ると、次の通り。
○相続税および贈与税、○新所得税、その構造、○法人税
○排ガス基準による自動車税、○低所得者向け住宅制度、○ネットによる税務申告
x土地建物税、x健康に害を及ぼす製品の課税、x国営企業改革
その他、国営企業改革では、従来は政権与党により経営方針や人事が左右されていた。今後は、これらの政治家による運営を排除して、純粋に国営企業の運営ができるようにする、らしい。
また、現在の憲法改正が遅れることから2017年の総選挙、民政への移管が遅れる恐れがある。
さて、今後のタイ経済はどこに向かうのか?
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5.(セミナー報告)自動車の未来
5月11日に開催した日系企業の自動車産業セミナーでは、BOIの幹部をはじめ、自動車業界専門調査機関のフォーインから久保副社長をお招きした。同時に、AEC2015が発足して、域内のサプライチェーンは今後どのように変化するのか、TEIR1企業としてJTEKT (Thailand)の茶円副社長をお招きした。自動車の未来を考えると、大きな課題は4つある。
1つは、燃料であるガソリン、軽油から、水素ガスなどの燃焼系のエンジンか、あるいは電気自動車のようにモーター駆動系か、その組み合わせのハイブリッドなど、社会環境が変わればおのずと変わる。2つ目は、安全性の向上と車づくりである。2022年に米国では自動ブレーキの義務付けが政府と20社余りの自動車メーカーが合意をしている。3点目は、自動運転に見るように知能化、渋滞対応である。4点目は省エネと環境問題。ガソリン、軽油から排ガスなど地球環境問題は避けて通れない。今回のセミナーでは、これらの課題に真剣に取り組む方には役立った内容である。

by tmobkk | 2016-06-01 08:48 | タイの動き | Comments(0)  

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