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総選挙が7/20に実施できるのか

TMOタイの動き 2014.5
総選挙7/20に実施できるのか
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1.総選挙7/20に実施か
2.元バンコク都知事遺族に、損害請求
3.Yingluck首相、退陣に向けての綱引き
4.タイの大手企業の動き
5.周辺国の動き
6.TMOの活動

質問1.タイ2/1に実施された総選挙が、全国一斉にできなかったことから無効になりましたが、今後の政局はどうなっているのですか?
(回答1) 4月末に、民主党の党首で元首相のAbhisit氏が、反政府側と政府側を仲介する動きを見せています。主な主張点は、反政府のMr.Suthepの主張を受けて、選挙管理委員会に総選挙の実施を遅らせて、それまでに政治改革を行う、というもの。しかし、Yingluck選挙管理内閣首相は4/30に選挙管理委員会とメンバーと面談して7/20総選挙の実施をするための勅令発行を準備する意向です。もちろんタイ全土で選挙が実施できるかどうか見定めての動きでしょうが、半年前と状況が変わらず、総選挙の実施か政治改革か、と綱引きが続くと見ています。

(質問2)タイでは、汚職追放と言いながらなかなか成果が上がらない、と聞いています。ところが、元バンコク都知事であったサマック氏の遺族に、2004年現職最後の日に消防自動車315台、船舶30隻の購入する契約書にサインをして、購入したが、実際は使用されず倉庫に眠ったままである。
その陰で大量の裏金が流れたことから、バンコク都は遺族に対して6億バーツの損害を与えたとして、行政裁判所に訴えて、裁判所は4/30に損害賠償をするように判決をだしました。この点から、今後タイでの汚職追放は一層、厳しくなるのでしょうか?
(回答2)
1)現在の反政府運動家の主張にも、現政権が大規模なインフラ投資をすると言いながら、大きなお金が裏で動いていることを強調しています。
2)確かに、発展途上国では政治家、官僚が汚職をすることは避けられない、といわれますが、同時に経済が発展し、情報公開が進めば、この点の批判も多くあります。中国でも同様の動きがあって、旧体制の遺物である特権階級への批判もでています。
3)タイ商工会議所など財界の中で汚職はさせない、贈収賄をしないと宣言している大手企業もあります。
4)タイの世論調査をすると、一般国民は汚職には反対であるが、いざ、自分がそのような場合になれば見逃すという意見も相当あります。
5)国民運動として、このような動きにならないと、実際は難しい課題だと思われます。

(質問3)Yingluck首相は、汚職問題、高級官僚の人事異動で憲法違反をした、として訴えられています。上院議員選挙が3/30に実施されて、新しく上院の委員会構成が決まれば、Yingluck首相の訴追を憲法裁判所への提訴をするかどうか、上院が決めて、から憲法裁判所に提訴することになります。現地では、Yingluck首相の辞任は避けられないと見ているのでしょうか?
(回答3)
ここ数か月、司法によるクーデターといわれてきました。憲法や法律によって今までのソマック首相の辞任、ソムチャイ首相時代の政党自身の解党などありました。タクシン派支持の赤シャツ隊からすれば、民主党政権には司法の判断が甘いのではないか?公正に判断をしているのか、などの批判もあります。
もし,Yingluck首相が解任となれば、大臣がすべて退陣するのか、あるいは、大臣の中から誰かが、選挙管理内閣として総選挙まで継続するのか、反政府運動のMr.Suthepが臨時に国民評議会を組織して、その代表として首相をやるのか、不明です。最後の,Mr.Suthepが首相になりたい、と発言した4月初めには大きな批判を受けて、今はその準備をするだけだ、とトーンダウンをしていますが、本音が首相になりたかったのか、と思われます。





(質問4) ところで、タイの大手企業はどのような動きをしているのでしょうか?国内での経済活動と周辺国の経済活動はどう考えればよいのでしょうか?
(回答4)
タイの最大の企業としてはサイアムセメントSCGがあります。今年は100周年を迎えて、巨大な本社ビルを建設しました。最近の発表によると110億バーツの資金をアセアン市場に投資すると発表をしています。先日、ベトナムやカンボジアにも行きましたが、SCGグループの広告もあり、現地でも積極的にセメントおよび関連の建設資材を販売しているようです。
一方、流通系としてはサイアムマクロが、会員制卸売業として80億バーツの投資をして、国内に11か所の商業施設をオープンする動きもあります。
参考 バンコクポスト紙 bangkokpost.com
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(質問5)ところで、タイの周辺国はどのような動きでしょうか?TMOのニュースを見ると、周辺国によく出張もされていますが、如何でしょうか?
(回答5)
お蔭様で、タイ及び周辺国の市場調査の仕事があることから、カンボジア、ラオス、ベトナムにも出張をしてきました。
たとえば、カンボジアでは、ベトナム国境周辺の工業団地では組合運動の組織化が熱心で、一部の工場ではストライキもあります。政権側からすれば、海外投資家の撤退までないかもしれないが、投資の影響は避けられないとして、沈静化に動いています。
ラオスでは、アセアン経済共同体AECが2015.12.31に結成されることから、3年遅れではあったも、同じ経済圏に巻き込まれることから政府の改革を進めているようです。
ベトナムも同様で、数年間続いている金融機関の不良資産の解消の動きがどの程度進んでいるか、です。
ミャンマーの経済特区の開発の動きも、タイの政治混乱があって、なかなか進みません。
弊社では、5/15にアセアン経済共同体AEC2015の発足に合わせて、タイ+1として、タイだけではない、周辺校も含めて投資の判断をされるBOIセミナーの企画運営をしています。
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併せてご覧いただけると、タイの動きが理解できると思います。
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(写真は、上からチトラダ宮殿、タイの地方電力公社、下はカンボジアの首都で建設途中のビル)

by tmobkk | 2014-05-01 20:27 | タイの動き | Comments(0)  

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