人気ブログランキング | 話題のタグを見る

戦略的治水管理戦略が出来るか

TMOタイの動き2012年2月戦略的治水管理戦略が出来るか_c0167063_0475956.jpg
目次
戦略的治水管理戦略が出来るか_c0167063_049155.jpg<br clear=all>
1.戦略的治水管理とはータイ洪水からの信頼回復
2.インラック政権、内閣改造の狙い
3.ミャンマーの民主化が周辺国に与える影響
4.カンボジア、ラオスとタイの関係改善は
5.タイ中銀、追加利下げ



1.戦略的治水管理とはータイ洪水からの信頼回復
1/14にタイ政府の水管理の専門家Dr.Chukiat Sapphaisaiからチャオプラヤ川の治水管理の2012年の雨季に向けての緊急課題について報告を受ける機会があった。また、1/30には戦略的治水管理委員会の委員長Dr.Virabongsa Ramangkuraのお話も聞けた。
内容は、チャオプラヤ川の治水管理といっても、上中下の地域によって目的が異なるとの説明からあった。上流では森林地帯の保水管理、国土管理、国土の活用が課題、
中流では、地方の中核都市の災害防止、雨季のピーク時の保水管理と農業生産とのバランス、土地利用と土地開発計画の課題、下流では主要な経済地域を洪水から守ること、洪水の排水経路の確保、土地利用と開発計画など、同じチャオプラヤ川の治水管理といっても、上中下の地域によって目的が異なる。また、一つの組織で、総合管理が出来る仕組みが出来ていないことが大きな課題として挙げられた。
1/20のインラック首相の水資源管理計画の説明によると、3500億バーツもの資金を投じて、治水管理を行うとのと。その資金手当ての目処も立ったと説明があるが、総論賛成、各論反対派どこでもある。注視しておきたい大きな課題でもある。

2.インラック政権、内閣改造の狙い
1/18にタイも内閣改造を行った。退任10名、新任10名、横滑り6名である。エネルギー大臣、工業大臣、教育大臣、運輸大臣、総理府大臣など選任。赤シャツ派のリーダーであるナタウット氏が農業副大臣として登用されたのが注目される。運輸大臣から国防大臣に横滑りしたスカンポン国防大臣はタクシン元首相に近く、クーデター後は、主要ポストをはずされたことから、国軍の改革を行うのではないか、とも見られる。





3.ミャンマーの民主化が周辺国に与える影響
タイとミャンマーだけの関係ではなく,ASEAN域内でもミャンマーの民主化は大きな意義がある。たとえば、シンガポールとミャンマーでは経済面での関係が深く、民主化による経済自由化のためにシンガポール政府はミャンマーの銀行関係の人材育成に支援をすると来訪したミャンマーの大統領に提言をしている。これだけでなく、欧米の民主化による経済制裁など解除されると見込んで、周辺国からの投資が活発化している。
戦略的治水管理戦略が出来るか_c0167063_0511451.jpg
4.カンボジア、ラオスとタイの関係改善は
タイの自動車業界はアセアンの市場開放が進む2015年までに年間生産台数が200万台を越え、2020年には320万台と予想をしている。そのため、2015年までに業界全体で25万人の労働者が必要。こうなると、タイ人だけでは賄えない。先ほどのミャンマー同様にカンボジア、ラオスからの労働者の受け入れが課題となる。外交関係の改善が電力や資源開発とともに、観光面や労働力の移動にも影響を与えるのである。

5.タイ中銀、追加利下げ
1/25の発表によるとタイ中央銀行は政策金利を0.25%引き下げて、年3.00%に決めた。昨年11月の経済指標では工業生産、民間消費、輸出が大幅に激減。2011年の第4四半期の経済成長はマイナスになった、と見られる。12月には水が引いたことから、経済活動、消費、投資が徐々に復興したが、生産が洪水前の水準に戻るのは、相当時間がかかると見られる。

6.TMOの動き
1/23-1/29まで日本出張。2月も、ベトナム、シンガポールへの出張の予定されている。
国内では、BOI主催のSUBCON Thailandの中で行う、日本人向けセミナーの企画、日本からの依頼で市場調査の実施をする。
一部は3月になる予定。
来訪のご予定などあれば、早めにご連絡ください。

by tmobkk | 2012-02-01 09:00 | タイの動き | Comments(0)  

<< 最低賃金300THBに、4月から実施 ASEAN諸国の中でタイの優位... >>