洪水は、タイ経済に1.4兆バーツの被害

洪水は、タイ経済に1.4兆バーツの経済的影響
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TMOタイの動き 2011.12

1.中銀、金利引き下げ
2.タイの洪水、その後の回復状況
3.キアッテイ副首相に聞く
4.ミャンマーとタイとの国境再開の動き
5.インドネシアとタイの投資環境


1.タイ中銀の金利引き下げ
11/30 中銀は洪水により10月の経済の影響が大きいと判断して政策金利を引き下げた。理由は、GDPが前年同月比35%ダウン、洪水の影響で7つの工業団地が被災したことにより自動車、電機の生産が直接、間接影響を受けた。タイ中部の穀倉地帯も冠水して、米の輸出の激減。各国の政府機関からタイへの観光の自粛を呼びかけたことから観光客も9月は前年から増加したものの、10月は前年同月比で減少。ただし、ホテルの稼働率は、冠水したタイ国民の避難した関係で、稼働率は上昇。一方、影響を受けなかったゴムなどの輸出品目は引き続き好調。このため、中銀は政策金利を3.5%から0.25%引き下げることに決定。表決は5:2で決定されたが、反対の2は引き下げ幅を0.5%にすべきだと言う意見であった。

2.タイの洪水、その後の回復状況
1)洪水の被害総額:世界銀行の推計では、タイ経済に1.4兆バーツ(約5.2兆円)もの経済的な影響を与えたと推計。内訳は6400億バーツの損害と170億バーツの機会損失。合計で、損害が7550億バーツ(2兆2650億円)の被害。悪い面だけではなく、同時に6450億バーツ(1兆9350億円)の復興需要が生じると推計している。
2)その後の回復状況:12/4のMs.Yingluck首相は「冠水した7つの工業団地のうち5つは水が引き、バンコクと近郊で冠水している地区も新年には水が引く」と説明。
水が引いた工業団地は、Rojana,Hi-Tech,Bang-Pa-In,Factory-Land,Bangkadi、の5箇所。まだ水が引かないのはSaha-Ratttana,Nava Nakornの2箇所。この2箇所も12/20までには水が引くと説明をしている。Hi-tech工業団地の大半とFactoryLandの40工場はすでに11/30から操業を始めたと見ている。しかし、野党の民主党,Abhisit党首は、首相の説明では誤解を与えると主張。「被災した国民の現状を細かに見ておくべきだ」





3.キアッテイ副首相に聞く
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 11/24に外国特派員クラブで開催された副首相の講演会に参加した。現状の洪水の原因は、自然災害である、との説明から、経済の現状、外国人労働者の受け入れとミャンマーの経済開発を支援する理由など経済全般に関して説明があった。洪水については、準備が足りなかったことを認め、来年の雨季までに緊急の対策を取ることと、長期の対策を講ずることを説明された。このため経済成長は2011年は当初予測の4.5%から2.5-3.0%に落ちると認め、2012年は経済復興などあって上昇すると説明。また、公的債務がGDPの42%しかないことから、中央銀行の金融政策にも言及して、インフレターゲットに拘るべきではない、との説明もあった。また、月末の11/28から日本を訪問して洪水対策などの支援を要請すると説明があった。

4.タイとミャンマーとの国境再開の動き
11/30に米国のMs.Clinton国務長官がミャンマーを訪問して両国の関係改善を協議したことを受けて、ミャンマーの反政府側の少数民族とミャンマーの中央政府との停戦協定の進展がある。少数民族の側も海外との協調路線再開に賛同して停戦する動きがある。戦闘を避けて少数民族はタイに100万人も居住している。具体的には2箇所。今まで2年近く閉鎖されたタイのチェンマイとバンアルノタイ国境が近く再開される。また、2010.6.18に閉鎖されたタイのメソット県とミアワデー国境も再開される見込み。タイ外相の説明では、タイの国王誕生日には再開できるのではないか、との見通しがある。

5.インドネシアとタイの投資環境
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11/30にはインドネシア投資委員会を訪問した。投資委員会の副会長の説明では、「日系の銀行では3-400もの投資の相談があって半数は決定した、と報告を受けている」3つの日系の銀行を総合すると、相当数のインドネシア投資があるとみている。
12/2ジャカルタ東部のG工業団地を訪問して、昨年12月に投資を決定した日系企業に伺ったところ、昨年は頭を下げて入居を依頼されたが、最近は購入希望者が多いためか、50%もの土地価格の上昇がある、との説明があった。ちなみにG団地の土地価格はタイの郊外の工業団地よりも高い、との説明があった。
インドネシアはタイと比べてインフラ整備の遅れはあるが、トヨタ自動車が第2工場を来年から着工するとの報道があるように、関連する自動車部品業界の進出は続くものと見られる。何よりも、労働力の供給と、市場規模の成長を考えると、魅力度は高まって、タイ国の投資環境との差が近づいている。タイとして、ASEAN諸国をリードする政策がだせるかどうか、今後の政策の打ち出し方に注目したい。
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by tmobkk | 2011-12-05 23:30 | タイの動き | Comments(0)  

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