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下院、東北部の補欠選挙でタクシン派勝利

タイの動き 2009年6月号
目次
1.下院、東北部の補欠選挙でタクシン派勝利
2.政府借り入れ4000億円、勅令承認
3.PADの政党、陣容決まる
4.空港線12月開通か、BTSのオンヌット延伸は2011年に
5.自動車業界、観光業界不振続く
6.タイのインフルエンザ状況


1.下院、東北部の補欠選挙でタクシン派勝利
6月21日に行われた東北地方サコンナコン県第3区の下院議員補欠選挙はタクシン政党のプアタイ党と、タクシン派から離脱したタイ衿持党との対立はプアタイ党の83,348票と対立候補の47,235票を大きく離して当選した。6月28日にはシーサケット県第1区でも下院補欠選挙が行われた。こちらはプアタイ党とタイ国開発党(元タイ国民党)の対立で、タクシン派であるプアタイ党が124,32票、タイ国開発党76,435票と圧倒的な圧勝した。アビシット首相は、東北部はタクシンの勝利というよりも野党の地盤であり全国のリトマス紙にはならない、との発言を行っている。
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2. 政府4000億バーツ借り入れ、勅令承認
 政府は、予算執行上、税収の落ち込みと、インフラ整備の投資資金不足から4000億バーツの国内借り入れの勅令の承認を国会に諮った。
 野党からは、①国内借り入れの必要性、②投資および返済計画の不明瞭
③恣意的な予算配分として政府を追及した。しかし、連立政権の乱れが起きず、また野党プアタイ党の追及も尻すぼみとなり、政府案は承認された。

3. PADの政党、幹部陣容決まる
反タクシン運動を指導してきた民主主義民衆連合PADは新政治党(パック・ガーンムアンマイ)と名づけた政党を設立、6月4日に政党登録をおこなった。党首には、労働組合出身のソムサック・コーサイスック氏を、幹事長にはスリヤサイ・カタシラー氏が就任。ソムサック党首は、「次期、総選挙には出馬しないが、選挙キャペーンで、党の目標である新政治体制を目指す」としている。執行部には、環境保全団体、NGO、労働組合の指導者が多く含まれており、次期総選挙では連立政権のキャステイングボードを握る20-30議席を目指すとしている。
4.空港線12月開通か、BTSのオンヌット延伸は2011年に
 タイ国鉄の線路を保有する会社と運営する会社の分離案が閣議で一端承認されているが、6月22日にタイ国鉄労組がこの案に反対して全国ストライキに入った。政府は、労組の要求を受けて、計画の見直しなど労組の要求を受け入れたことからストは23日には解除。この労組のストが影響を与えたわけではないが、2006年9月開港のスワンナプーン空港とバンコク市内を結ぶ鉄路の建設が遅れている。8月の王妃誕生日に間に合うのではないかと見られたが、マッカサン駅、パヤタイ駅の完成が遅れ、12月5日の国王誕生日に向けての建設工事が進められている。既に、工事の終了した区間ではドイツから導入した車両を使った試験運転がされているが、本格的な運行は2010年になる見込み。開通後、慣らし運転期間として無料の運行が続くのか、まだ発表は無い。
 また、高架鉄道BTSは終着オンヌット駅からサムットプラカン県までの新しい5駅について、8-9月に駅舎はおおむね完成する。その後、電気関係の工事を済ませて、2010年末には試運転が行われ、2011年からの開通が見込まれる。このため、周辺の土地が10-15%値上がりしたらしいが、不況のためコンドムニアムの建設も一端、休止の状況。BTSが開通すれば、一部は再開する可能性もある。


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5.自動車業界生産、貿易、観光業界不振続く
 5月の自動車生産は61,752台と前年同期比50.91%減となった。このため、1-5月の生産累計も314、368台となり前年同期比46.62%下回った。主力市場では、中近東向けはプラス成長が続いているが、オーストラリア、アジア、欧州向けが不振。国内販売も、5月が31,517台と前年同期比45%減となっている。
その他の輸出入では、5月の輸出は冷凍えびと砂糖の増加を除いて、軒並み減少し27%減、輸入は原料と部品の輸入の落ち込みが大きく35%減となった。
5月の国際線利用者はスワンナプーン空港利用者数が22%の減少、南部のプーケットも21%減少となった。これは4月半ばにバンコクとパタヤ出反政府デモが軍と政府が鎮圧したことと新型インフルの影響が重なり、団体ツアーなどのタイを避ける動きがあったと見られる。
タイ政府は観光業界支援のため、TATタイ政府観光庁やTCEB会議、展示会誘致組織を通じて、タイへのビジネス客の誘致に努めているが、タイ自体の信頼の回復など効果が現れるにはしばらく時間がかかると見られる。

6. タイのインフルエンザ状況
6月29日現在、新型インフルエンザ感染者の確認数については、タイ保健省は累計1,330人である旨発表しています。10人以上感染者数のある県は、バンコク803人、ノンタブリ168人、パトゥムタニ91人、サムットプラカーン80人、チョンブリ32人、ナコンパトム29人、ラチャブリ14人、サムットサコン11人、サラブリ12人、スラタニー11人、となっております。死者は3名。なお、バンコク在住邦人の新型インフルエンザ感染者(いずれも18歳未満)は、全員が既に快復。

(情報出所) 週刊タイ経済、バンコクポスト紙、Nation紙、日本大使館情報など

by tmobkk | 2009-06-29 00:28 | タイの動き  

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