政治の和解がなるか、PAD政党結成へ

タイの動き 2009年5月号
目次
1.政治の和解がなるか、PAD政党結成へ
2.景気回復の兆しか?
3.アセアン首脳会議、秋に延期か
4.タイでアセアン保険相会議
5.観光業界支援策

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1.政治対立から融和が図られるのか
 -反独裁民主同盟UDD対王政維持の民衆連合PAD)の対立から
4月のタイのお正月(ソンクラン)をはさんでUDD(赤シャツ軍団)の首相府占拠、道路封鎖が解除されたが、その直後4月17日早朝に民主主義のための民衆連合PAD(通称、黄色シャツ軍団)の指導者の一人、ソンテイ氏の命を狙ったテロがあった。数十発の自動小銃の銃弾を受けたが、幸いにも、本人、警備員、運転手とも重傷をおったものの命を取り留め、先月4月25日に退院をした。退院時のソンテイ氏の記者会見で軍人または警官が犯人だと説明をして、PADが目指す「新政治」を望まない軍人、政治家など旧権力勢力だと説明。軍幹部は明確に関係者の関与を否定しているが、元軍人などの所有したマシンガンの可能性もあり、調べると説明。

 PADは、選挙委員会に対して政党結成の届けをだしており、年末または2010年初めの総選挙には候補者の擁立も。
大規模な抗議行動が収まり、ソンクラン前に発令された非常事態宣言が4月24日に終結されたことから、舞台は国会審議に移った。政府は野党も入れて政治和解のための特別委員会を設置して、野党のタクシン派も巻き込んだ議論を展開するとしているが、野党はUDDの主張を放映した衛星TV局の再開要求、ソンクラン騒乱時の軍の弾圧で死者がでたことの解明を求めている。与党内でも、憲法改正を伴う委員会を開催すべきではない、との意見もあった。舞台を国会に移した議論によって政治的な対立が収まるとは誰しも言えない。



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2. 景気回復の兆しか?
 ソンクラン騒動が収束して、国内の政治情勢が改善して来たことから輸出の一部に改善の兆しが見えてきた。4月30日の中銀の記者会見でも3月のタイの輸出は前年同期比で23%減となったが、中東、オーストラリア、中国などの輸出は改善している。また、4月29日の財政局の発表した経済財政報告によると加工食品、電機エレクトロニクス関係は生産を改善する動きがある。民間支出が落ち込むなかで、政府支出が景気のした支えを果たしている。
トヨタ自動車の在庫調整も一段落した様子で、6月から工場の生産シフトを1直から2直体制に戻す動きもあり、最悪期に契約を打ち切った派遣労働者の再契約の準備を始めているとの憶測もある。

3.アセアン首脳会議、6月の予定が秋に延期か
 4月のソンクランにPATAYAでアセアン首脳会議開催予定が、UDDの騒乱のため延期。タイ政府は、会場をプーケットに移して6月中旬に開催する準備をしていた。警備体制はPATAYAでは警察が騒乱を抑え切れなかったことから、今回は軍が会場の周辺5kmに関係者以外を排除する体制をとるなど万全を期していたが、各国の首脳の日程が合わず、秋に延期される見込みとなった。

4.新型インエンザ対策でアセアン保険相会議
5月7、8日の両日、バンコクのドシタニホテルにおいて、新型インフルエンザの対策を協議した。アセアンでは今までもSARSや鳥インフルエンザでの協力関係ができていることから、新型インフルエンザでも協力ができるとしている。日本政府は支援する抗ウイルス剤を鳥インフルエンザ対策だけではなく、新型インフルエンザ対策にも使用することを認めた。
アビシット首相は、タイでは新型インフルの感染例がないとして観光業界への影響は無いとしているが、観光業界幹部は、鳥インフルやSARSのように地域単位で渡航先のリスクを考えることから、アジアで流行の兆しが見えれば、影響は必至だとしている。
また、世界的に豚肉の需要が落ち込んでいることから、輸出の少ないタイでは影響は少ないものの、豚肉大手のベタグロ幹部は国内でも豚肉の敬遠する動きもあることを認めている。

5.観光業界支援策、低利ローンとタイに渡航する外国人に保険保護
 タイ政府は観光業界支援のため、ソフトローンの拡充を決めた。これは昨年の空港閉鎖に伴う影響を受けた観光業界に50億バーツの低利融資を決定したが、世界不況による影響と、国内の政治混乱による影響を受けている観光業者にもSME銀行を通じて、追加して50億バーツのローン枠を設ける支援策を決めた。申し込みは、7月31日までで、貸付上限は500万バーツ。
同時に、タイに渡航する外国人の保護のため、保険を導入することも決定した。死亡時1万ドル、病気治療は1万ドルを上限に保証される。保険の期間は5月1日から10月31日までで、保険料の1ドルは国が負担する。

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6.資料提供
5月13日に開催したBOI日本人向け特別セミナーで使用した資料、例えば「新型インフルエンザの実情と事業継続計画」など弊社が企画運営をした関係で配布できる資料が弊社の資料室にあります。セミナーの講師、内容は、弊社のURLにて確認をしてください。
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by tmobkk | 2009-05-18 23:53 | タイの動き  

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