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バーツ高、影響が広がる

1. バーツ高、影響が広がる

 スラユット政権は7月24日の閣議で、中銀によるバーツ高対策を了承。個人の海外投資規制を解除し外貨預金を解禁する、
輸出業者が外貨収入を外貨のまま保有することを認めることになった。バーツ高は、7月になって上昇ペースが速まっており、1ドル33バーツの相場が34バーツまで下がるかどうか、不明。繊維業界など、輸出に依存する企業ではバーツ高の影響で工場閉鎖をするところも出てきた。例えば、製靴大手の上場会社、ユニオン・フットウエアは8月1日工場を閉鎖して自主廃業をすると発表。経営者はバーツ高で輸出採算が合わないと説明。4700人の労働者は、解雇保証金を支払って解雇する。タイ工業連盟
の製靴部会によると、中国およびベトナムとの競争激化でタイの製靴業界の世界でのシエアは下がっている、との見方が強まっている。一方、日本との経済連携協定が年内に正式発効することから、日本向けの輸出が増えると見る見方もある。
昨年の実績は、400万足、13億バーツが、協定発行後20%を伸びるという見方がある。


2. 新車販売、7ヶ月ぶりに増加

 景気の先行き不透明なことから、今年1月から新車販売は前年比割れを呈していたが、7月になって始めて前年比を上回った。8月14日JCC自動車部会発表の新車販売台数によると7月の新車販売台数は前年同期比1.0%増の51,158台と7ヶ月ぶりの
増加。乗用車が4.7%増の15,125台になった。1-7月の新車販売は前年同期比10.8%減の343,672台。乗用車は9.4%減、商用車は11.4%減であった。
タイ政府は、8月14日の閣議で代替燃料エタノールを20%混入した燃料で走る乗用車の物品税を5%減税すると発表。2008年1月から適用。例えば、2000CC以下、220馬力以下の乗用車は現状の30%の物品税が25%になる。1台あたり約1万バーツの減税。これによりトヨタ、ホンダなど各社は対応する新車を投入する予定。

3. 憲法改正案、8月19日に投票

 憲法起草議会は、8月19日の投票に向けたキャンペーンを開始。旧愛国党のグループが反対の動きを示しているが、世論調査では過半数が賛成するとみられる。8月3日発表のラムカムヘン大学の世論調査によると、賛成は55%、反対は9%で、未定は35%であった。反対派の理由;クーデター体制化で起草された憲法案を承認することは、クーデターを認めたことになる。
賛成派の理由;国民投票で承認されれば、民主主義に復帰できる。否決されれば、軍の政治関与は続く、など。

4. 旧愛国党、少数政党に合流

 旧愛国党の元下院議員は無名の政党である民力党に参加すると発表。年内に予定されている総選挙のスケジュールからすれば、新政党結成では間に合わず、既存政党を実質吸収して選挙準備にかかる予定。党首には、バンコク都知事を勤めたサマック氏が就任するとの見方もある。一部には、チャワリット元首相を担ぐ動きもある。


5. 外資規正法、撤回

 タイ政府は、タクシン前首相の外国人規正法の網を抜ける目的でノミニー(代理投資)を規制するため外国人事業法の改正案を1月9日に閣議了解をして国民立法議会に提出。政府の規制では手ぬるいとして、議会では改正案の規制をさらに強める動きも出たため、8月8日政府は「修正案」を出すという名目で、実質上改正案を撤回した。政府は、中小小売業を守る目的で卸売業小売業法案の制定、外資による短期取引の規制を検討しているが、外国企業の反対も多く、議会の規制強化で投資の遅れ、外国への投資が移ることを恐れた模様である。

by tmobkk | 2007-08-01 17:22 | タイの動き  

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