自動車生産100万台突破
2005年 11月 01日
「もし国王が間違いをしないとすれば、国王は人間ではないとみなすことである。国王も間違ったことをする可能性はある。」
プミポン国王(12/5Nation紙より)
1. タクシン首相を批判する動き
タイ語経済紙プーチャッカーンのオーナー、ソンティ氏は、(旧マスコミ公団)が運営するテレビ放送局チャンネルのトーク
番組「週間タイ」に出演、首相批判を続けていた。しかし、9月15日に突然、番組の放映を打ち切ったため、同氏は打ち
切りを不服として損害賠償を求める訴訟を起こした。
一方、首相側は同月30日、9日放送分で、首相が国王の権威に挑戦しているかのような表現で首相を批判したと主張、
名誉棄損で民事裁判を起こすとともに刑事告発した。これにより、両者の対立が決定的となった。
ソンティ氏支持派は9月17日、首相とウィサヌ副首相を不敬罪で刑事告発した。王室寺院のエメラルド寺院
(ワット・プラケオ)で、首相が4月10日、王族以外に許されていない宗教行事を主催したことが理由。
ソンティ氏は11月18日午後6時、裁判所の批判停止命令にもかかわらず、バンコク中心部のルンピニ公演で「週刊タイ」の
公開録画を開始した。雨にもかかわらず、公園には数万の支持者(主催者発表)が集まった。
ソンティ氏は、首相の妹のモンタティップ・コーウィットチャルーンクン氏Mリンク・アジア副会長)が、私的な用事で
空軍輸送機を使用したと明らかにした。モンタティップ氏は北部チェンマイ県で開催した自身の誕生日パーティーに
バンコクから友人、知人を招待するため空軍の輸送機を使用したという。
ルンロート国軍最高司令官は11月18日、国王が支持しているかのような表現で首相批判を続けるソンティ氏の態度は不適切
との考えを示した。「我々の寛容にも限度があり、行動を起こさねばならないことになるかもしれない」と述べ、最終的な
手段に打って出ることもあり得ると警告した。ソンティ氏は「我々は国王のために戦う」とのスローガンが書かれた黄色い
シャツを着て、首相批判を続けている。(11/21NNAより)
12/4のNation紙でも、特集でこれまでのいきさつを紹介。タクシン政権当初は、ソンテイ氏はタクシン政権を支持をして
いたが、その後の変化を紹介している。http://www.nationmultimedia.com/specials/sondhi/
2. 上場企業、好業績続く
タイ証券取引所は、および2部市場)上場の486社のうち期限までに適正な決算報告を行った465社(全体の96を対象に9月
期業績を集計し発表した。対象企業は(上場459社)が438社、MAI(同27社)が 27社。
上場438社の純利益合計は同 13%増の3,632億5,000万バーツ、売上高合計は25%増の3兆2,000 >億バーツ。370社が
黒字。
純利益の番付はトップがPTT、2位以下は、素材最大手のサイアム・セメントSCC、PTTの油田・天然ガス田開発子会社のPTT
エクスプロレーション&プロダクションPTTEP、バンコク銀行、サイアム商業銀行(SCB)の順。
産業分野別の純利益合計は、資源が1,187億3,000万バーツ(48%増)でトップ。エネルギー消費拡大、原油・石油製品価格の
高騰で売り上げが急増した。金融は868億2,000万バーツ(16%増)で、うち銀行が740億3,000万バーツを占めた。不動産・
建設は537億3,000万バーツ(14%減)、テクノロジーは278億8,000万バーツ(13%減)、サービスは267億2,000万バーツ
(19%増)だった。(11/18NNA)
3. JETRO11月日系企業の景気動向
11月の業況判断DIは、シンガポール、マレーシア、フィリピンで前月と比べて上昇、タイ、インドネシアで低下、
全体では1.2ポイント上昇した。物価高、高金利の影響により、インドネシアは、8.4ポイント低下し、2年ぶりのマイナスに
転じた。マレーシアは11ヵ月連続、フィリピンは7ヵ月連続でマイナスのままだが、両国ともマイナス幅が縮小している。
2~3ヵ月先の見通しは、インドネシアが18.5ポイントの大幅な低下となったほか各国とも11月時点と比べてやや悪化し、
全体でも6.4ポイント低下した。(12/1JETRO http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/di/200511_asean/)
上場会社の決算は好調だが、原油価格の上昇を価格転嫁できたところなどは好業績であるが、それを吸収しようとしている
ところは苦戦をしている模様(TMO)
4. 自動車の生産、100万台突破
タイ工業連盟(FTI)は11/23、今年の自動車国内生産台数が年間実績では初めての100万台を突破したと発表した。
1トンピックアップトラックの好調な輸出が寄与し、タイはイタリアを抜いて世界14位の生産国に浮上する見通し。
政府は「アジアのデトロイト」計画で2010年までの180万台達成を目指し、さらに自動車産業の強化に取り組む方針。
☆主要各社の増産計画は、以下の通り。
1)トヨタ
①2007年に東部チェチェンサオ県に新工場を開設 総額484億バーツの投資
②ピックアップトラック/SUV 年間22万台生産体制に218億バーツ
③乗用車・部品22万台体制に 従来のゲートウエイ工場へ266億バーツ投資
65%は国内販売、35%は海外輸出を計画
2)NISSAN
①乗用車・ピックアップ 20万台体制に 321億バーツをかけて60%は国内、40%は海外輸出
②車体部品 44億バーツ
③エンジン、コモンレールシステム 29億バーツ デーゼル 12万機、ガソリン12万機体制に
④タイに物流統括会社
3)ホンダ
①08年までにホンダの世界の販売台数を400万台に
②インドネシア・フィリピンの乗用車生産をタイに集約(2004年)
③タイのエンジン生産を、現在の2倍。30万基に拡大 40億バーツ投資
4)いすず
①2007年までに生産能力を20万台まで増強。
②輸出向け車両はゼネラル・モータータイランドへの生産委託
③2007年には完成車5万台を見込んでいる。
④ノックダウン5万台と合わせて、07年にはピックアップトラック
年産30万台の生産体制。
5)三菱自動車
①10年ぶりに新型ピックアップ投入
②生産能力を2007年までに現在の18万台から20万台
6)フォード・マツダ
①2005年 生産能力を12万台に拡張
②今後は20万台まで引き上げる計画
(いずれも新聞情報と、JETRO調査を参考にTMOにて取り纏め)
なお、2005年の自動車販売台数は昨年を大きく上回っているが、内訳はピックアップトラックがけん引役。乗用車の伸びが
止まっているのが気にかかるところ(TMO)
5. プーケットにカジノか
タイ国政府観光庁(TAT)などが外国人高齢者のロングステイ振興のために設立したタイ長期滞在マネジメント社(TLM)は、
南部リゾート・プーケットに大規模開発事業「プーケットベイ・インターナショナル・シティー」を計画している。
カジノやホテル、高層ビルなどを建設し、投資額は1,350億バーツを見込む。計画は日系の都市計画設計事務所
(本社・東京)が立案。
地元プーケット県のウドムサック知事は11/19日、「閣議で原則合意が得られれば、すぐにでも関係省庁の合意を取り付け、
詳細を詰めたい」と積極的に支援する考えを表明。
タイではカジノなどの賭博は法律で禁止されているが、観光・スポーツ省は先月、観光資源の目玉となるカジノの合法化を
前向きに検討する方針を表明した。タクシン首相も昨年、カジノ開設構想を明らかにしており、TLMは「観光客を増やすため、
限定的な条件付きでも許可を得たい」としている。(10/21NNA)
昨年12/26のスマトラ沖地震で大きな被害を受けたプーケット県であるが、カジノを設置することで観光客誘致の目玉となる
のかどうか、今後の動きに注目をしたい(TMO)
by tmobkk | 2005-11-01 19:20 | タイの動き